○日 程 | : | 2021年9月18日(土) |
○開催方法 | : | オンライン開催(Zoom) |
○参 加 費 | : | 会員:無料 非会員:2,000円 |
○申込方法 | : | 次の事項を明記のうえ,電子メールにてお送りください。
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○申 込 先 | : | 電子メール:office「アットマーク」jalih.jp
*上記,「アットマーク」は@に変更してください。送信件名に「研究集会参加」とお書き願います。 |
○申込締切 | : | 9月6日(月)(必着) |
■特別講演■ | |
植田佳宏(広島県立図書館) | |
「保存活動からみた『文化船ひまわり』の歴史的意義について」 | |
広島県立図書館では1962年から全国唯一の移動図書館船が瀬戸内海を巡り,島の人々に本の貸出しや映画の上映等もおこない,文化を運ぶ船「文化船ひまわり」の名称で人々に親しまれていた。島への架橋建設により1981年に廃止され,現在は尾道市瀬戸田町で保存されている。 歳月が過ぎ,船の老朽化が進むなか尾道市教育委員会は2015年に解体・撤去を決定,直後に開始された保存活動を受けて,方針を撤回するなどの変遷を辿った。 地域住民を中心とした保存活動は,島に住む人たちに文化を運んだ船「文化船ひまわり」の役割を再認識するきっかけとなった。保存活動の中核をなす「文化船ひまわりB.B(ブック・ボート)プロジェクト」の一環として実施した関連イベントの開催やリーフレットの作成など幅広い取組みが高い評価を受け,2021年7月5日に「ふね遺産」として認定された。 「全国にも例を見ない離島の人々の為の移動図書館船」として巡航した20年間と,空白の約30年間を経て2015年から始まった保存活動を通してこの船の歴史的な意義を論じたい。 |
■個人発表■ | |
■発表1 | 川口朋子(京都大学大学文書館) |
「戦時期図書疎開事業の特徴と変容に関する分析:―京都帝国大学附属図書館の事例を中心に―(仮)」 | |
アジア・太平洋戦争末期,日本各地の図書館で戦禍を避けるために蔵書の疎開が実施された事実は,自治体史や沿革史で明らかにされてきた。しかし図書疎開に関する一次資料は乏しく,日比谷図書館など一部を除き従来本格的な研究の対象にはなっていない。本発表では,まず内務省の都市疎開事業と図書疎開を比較し,制度的根拠や防空政策における位置づけを確認する。次に京都帝国大学附属図書館の事例を取り上げ,1944年の第一次図書疎開時に作成された資料を手掛かりに実施状況を具体的に明らかにする。その上で1945年の第二次図書疎開時の状況と比較し,事業の主体や性質が戦況の悪化に応じて変化した可能性について検討する。 | |
■発表2 | 仲村拓真(青山学院大学) |
本研究の目的は,図書館調査史として,近代日本において,公共図書館を対象に実施された全国的な調査の傾向や課題を明らかにすることである。 図書館調査の結果が記された文献(以下,「調査報告」)は,当時の図書館の実態に関する重要な史料として活用されてきたといえる。しかし,既存の研究では,その活用をめぐって,用いられる調査報告が限られていたり,調査自体の問題点などが問われていなかったりすることも少なくなかったと考えられる。 研究方法は,文献研究による。史料として用いるのは,図書館調査や統計に関する言説が記された書籍や雑誌記事及び調査報告である。発表では,研究課題として設定した次の3点に基づき,分析結果を報告する。すなわち,@図書館界において,図書館調査や統計をめぐってどのような言説が見られるか,Aどのような調査が実施されたか,B調査報告の比較によってどのような傾向や課題が見いだせるか,である。 |